宿泊先の申込み:ホームステイのメリット&デメリット

アメリカ留学のホストファミリー アメリカ留学の入学手続き

前回、宿泊先の申込み:学生寮のメリット&デメリットとして、学生寮についてお話ししました。今回はホームステイについてお話ししたいと思います。

ホームステイでは、アメリカ人家庭の日常を体験することができるだけでなく、英語を話す機会が多く、語学の上達にも役立つことがあります。大きなメリットがある一方、デメリットもありますので、それらを理解した上で申込みましょう。

ホームステイのメリット:憧れのアメリカを肌で感じることができる

今までドラマや映画の世界だったアメリカの生活が、ホームステイでは自分がその場にいて体験することができます。

アメリカに「英語」を学びに行くという人が多いかもしれませんが、アメリカの生活様式やカルチャーを体験するというのも、今後の人生に大きく影響してくることだと思います。

異国の人達や文化から学ぶことは、個人の感性にもよるので、何が得られるのかというのは、行ってからのお楽しみというところがあります。

留学で価値観や人生観を大きく変えて、良い意味で大化けして日本に帰ってくる人がたくさんいますが、ホームステイをはじめとしたアメリカの実生活から、大きな影響を受けたことによるものが多々あると思います。

 

ホームステイのメリット:現地の生活に慣れやすい

アメリカの一般家庭にホームステイすることで、現地の生活に慣れ親しみやすくなるでしょう。

私たちが日本で育ってきた環境でも、親や周りの人から社会生活のマナーを自然に覚えたり、買い物の仕方など生活に必要なことを学んできているはずです。

アメリカの生活様式は、日本にもたくさん取り入れられているので、極端に戸惑うことはないと思いますが、ホストファミリーと一緒に生活していくことで、よりアメリカに適した社会習慣が身につきやすくなると思います。

ホストファミリーと過ごすことで、ホストファミリーの知り合いをはじめ、地域の人達との交流が始まることもあります。

ホストファミリーが地域とのつながりの仲介役となってくれるため、より現地に密着した生活が可能になります。学生寮で留学生グループの中に留まっている学生には、なかなかできない体験になると思います。

 

ホームステイのメリット:語学力の伸びる学生が多い

ホームステイでは、家族と生活をするので、必然的に英語を話す環境に自分を置くことになります。

アメリカの家族と生活するスタイルでは、学校から家に帰ってくれば、ホストファミリーと会話する機会が多いでしょう。

家族と過ごすことで、そこで目にするものや体験するものから、単語を覚え、言葉の使い方を習っていくことができます。間違った英語の使い方をすれば、それを親のようにホストファミリーが直してくれることもあります。

これが学生寮やアパートでの生活であれば、人との接触を余りしないですむので、英語を話す機会も減ります。間違って英語を使っていても、意味が通じればいい程度の付き合いであれば、周りにいる人たちはあなたの英語を直してくれることは少ないでしょう。

私がホームステイしたお宅の一つでは、ホストファーザーとマザーは普通に働いている家庭で、夕食時に単語を一つ教えてくれる決まりを作ってくれました。

どの単語にするかは、大体がホストファーザーが決めてくれていました。私から質問するときもあって、特に学校で習ったけど使い方がよくわからない単語は、ホストファミリーに聞いた方が、教室で説明されるよりずっと分かりやすかったです。

 

ホームステイのメリット:規則正しい生活を送ることができる

日本でも同様ですが、進学で親元を離れた学生は、自由を謳歌してしまい、遊びが優先になり不規則な生活を送ってしまう人がたくさんいるでしょう。せっかくの留学が、遊学に変わってしまうのです。

学生寮を見れば明らかで、高卒の学生の多くが羽目を外して、色々なことで失敗しています。中には、カレッジや大学から追い出されてしまう学生もいます。

ホームステイは、朝食と夕食を家族と共にしたり、就寝時間も家族に合わせることになるため、かなり規則正しい生活になります。

特に食事や就寝時間は、ホームステイの生活スタイルに合わせられないと迷惑をかけてしまうので、ある程度、自分をコントロールして規則正しい生活を送れる環境に自分を置けるのではないかと思います。

 

ホームステイのデメリット:英語が上達するとは限らない

英語を丁寧に教えてくれたり、英語学習に協力的なホストファミリーがいる中、そうでないホストファミリーも多いです。

一般的なホストファーザーやマザーは、仕事をしているので、疲れて家に帰ってきて、留学生の相手をしている余裕のないことがあります。

特に共働きで子供がいるような家庭では、留学生まで手が回らなくて、食事は作ってくれるものの、後はほったらかし(よく言えば自由に生活させてくれる)という家庭も多いです。

私がホームステイした中で、シングルマザーと小さい子供が4人いる家庭がありました。このホストマザーとは、初日に自己紹介をした以外、会話をした記憶がほとんどありません。

ホストファミリーによっては、学校でさんざん勉強してきているのに、家でまで無理に英語を教えるのは可哀そうと思っているところもあります。

ホームステイでは、英語を教えるという家庭教師的なサービスは、通常、料金には含まれていません。あくまでもホストファミリーのボランティア的な行動であるので、英語を教えてくれないから悪いホストファミリーとはいえません。

家に帰ってからも誰かに英語を教えてもらいたのであれば、チューターや家庭教師を雇う方法があります。インターネットがつながる環境であれば、オンラインの英語レッスンを受講することもできます。

 

ホームステイのデメリット:一般的なアメリカ人家庭とは限らない

一般的なという表現は適切ではないかもしれませんが、ドラマなどで慣れ親しんでいる、いわゆる白人系アメリカ人の家庭にホームステイできるとは限りません。

アメリカは移民の国でもありますので、色々な人種の人たちがいます。近年は、アジアからの移民が多く、アジア系の家族にホームステイすることも珍しくなくなってきました。

移民系のアメリカ人は、独特のアクセントで英語を話す家庭もあり、きれいな英語を習いたい学生にとっては不満が生じることがあります。

アメリカに留学したのに、中国系やフィリピン系の家族にホームステイするというのは、ちょっと残念に思う人がいるかもしれません。

しかし、将来自分がアメリカに移住したいと思ったとき、アメリカで生活しているファミリーがどうやって海外から移住したのか?どんな生活をしているのか?ということを知るのはよい経験になると思います。

様々な家庭がありますので、自分が思い描いていたホストファミリーにはならないことがあります。過度な期待をしない方がいいですし、どんな環境でも学ぶ姿勢と感謝の気持ちがあれば、そこから学べることはたくさんあるはずです。

 

ホームステイのデメリット:勉強に集中できないことがある

ホームステイでの生活は、その家庭でのリズムがありますので、それに合わせなければなりません。規則正しい生活ができる反面、自分のペースで生活しにくい環境になることがあります。

家族との交流が求められるホームステイは、大学やカレッジでの勉強が忙しくなると時間が不規則になって交流が難しくなります。

大学では特に勉強量が増し、昼夜を問わず勉強することが多く、ホストファミリーとの交流は難しくなります。

都会の喧騒の中にある家を除いて、夜は家の中が非常に静かになるので、夜遅くまで勉強しているとホストファミリーに迷惑をかけてしまうことがあります。

キッチンでコーヒーを作ったり、トイレに行ったり、部屋でガサガサとモノを探したりといった些細なことでも、寝ている人にはうるさく感じてしまうことがあります。こういったことを神経質に気にしながら生活していると、自分の勉強に集中できず、疲労感も増してくることがあります。

 

ホームステイのデメリット:通学に不便なことがある

ホームステイ先はどこになるかわかりません。都心部や街中にある家であったり、郊外であったりと様々です。時には、カレッジから物凄く離れたところにあるケースもあります。

バスや電車が多い地域であればいいですが、そうでない地域になるとカレッジや大学に通うのに非常に不便です。

アメリカは車社会で、ちょっと郊外に出るだけで公共交通機関が少なくなって、地方に行けばバスが1日に数本しかないということもあります。日本でも、田舎に行くと小さなコミュニティバスしか走っていないことがありますが、それに似ています。

どこに住むかは自分で決められないので、そこに住んでから通学手段を考えなければなりません。地方のコミカレや大学では、通学が大変でホームステイをやめてしまう学生が多いです。

特に雪の降るような寒い地域では通学は大変です。バス停で待っているだけで、寒くて死ぬかと思ったと言っていた友人がいました。そうなると徒歩で教室に行ける学生寮の方が人気が高くなるのは当然でしょう。

 

ホームステイのデメリット:密室で表に出ないことがある

ホームステイは、言い方を悪くすれば密室の環境です。赤の他人にお世話になるわけですから、何が起こっても不思議ではありません。

一応、カレッジやホームステイを運営する会社では、ホストファミリーの身元調査などを行っているようですが、どこまで深く調べているかは分かりません。

個別の面接をやっているので安心と言っている留学エージェントもありますが、素人が面接やったくらいで、潜在的な犯罪者を見分けるのは難しいのではないかと思います。

現地いるとホームステイに絡んだ事件の話を聞く機会があると思いますが、留学エージェントではこういった話を表に出すことはまずありません。

ホストファミリーが、ホームステイ代金を少しでも自分の懐に残すために、まともな食事を出してくれない、電気やシャワーなどをほとんどを使わせないといったこともあります。ひどいケースでは、留学生を使用人のように扱って家の仕事をさせて、留学生が逃げ出したなんてこともあります。

ホストファミリーと折り合いが悪く、色々と嫌みを言われたり、家族の誰かから嫌がらせを受けるなどして、精神的に追い込まれる学生もいます。

ホームステイには、ホストファミリーの親類や友人、仕事関係の人など様々な人たちが出入りします。それらの人たちが必ずしもいい人たちとは限りません。特にお酒を飲んだりすると豹変する人もいます。

特にアメリカは性犯罪の多い国ですので、ホームステイといえども十分注意しなければなりません。ただ、これはホームステイに限ったことではなく、学生寮でも同様の問題が生じることがありますので、どこにいても気を付けなければならない問題です。

ホームステイ料金が高騰する中、それがビジネスとして成り立っている一面があります。ホストファミリーの人気が高く、数が足りないため、無理にホストファミリーを集めているところもあります。そのため、すべてのホストファミリーが、ボランティア精神で留学生を受け入れているという状況ではないことを理解しておいた方がよいでしょう。

 

ホームステイに向かない人

ここまで読んでいただいて、自分がホームステイに向いているかどうか、深く考えるきっかけになっていただければと思います。

ホームステイに滞在するには、その家庭に合った生活をしなければなりません。朝食や夕食の時間に合わせること、ホストファミリーが就寝した後は静かに過ごすといった各家庭のルールは、必ず守りたいことです。

自分の生活スタイルを優先して、ホストファミリーの生活に合わせるのが難しい人は、ホームステイは避けた方が無難でしょう。

日本の家族となら多少のわがままもOKかもしれませんが、他人の家にお世話になるわけですので、ホームステイ先の生活スタイルを尊重しなければなりません。

英会話力のレベルは別として、ある程度のコミュニケーションが必要になります。人と話すのが嫌だったり、部屋に引きこもりがちな性格の人には、ホームステイは少々ハードルが高いかもしれません。もちろん、そういった性格を変えたいから、ホームステイを選ぶということは可能であると思います。

食事の好き嫌いが多い人も、ホームステイは難しいと思います。アレルギーや宗教的な理由で食べられないものがあることは、あちらの家族でも尊重してもらえると思いますが、単なる好き嫌いが多いときにはホストファミリーでも対応に困ってしまいます。

留学生のわがままに合わせて食事のメニューを組むのは難しいです。忙しいホストファミリーが、留学生だけ別メニューで作るというのはかなりの手間になって無理だと思っていた方がよいでしょう。

ホームステイは、現地の家族にお世話になるところです。お金を払っているのだから、自分の望み通りにしてほしいというのは、ホームステイの趣旨とは異なることを理解しておきたいです。

 

ホームステイから次のステップへ

語学コースに通っている間はホームステイをする学生がかなりの割合でいます。

カレッジや大学側もホームステイを推奨していることがあります。言葉の十分に通じない留学生を大学側だけで指導管理するのは大変なので、ホストファミリーにお任せするという趣旨もあるようです。

語学コースを終えて、正規学部に入ると宿題などが半端ない量になるので、のんびりホームステイを楽しんでいる余裕がなくなる学生も多いです。夜遅くまで勉強をしていると、ホストファミリーの迷惑になることもあります。

そこで、勉学だけに集中したい!と学生寮に引っ越してくる学生がいます。学生寮のメリット&デメリットでお話しした通り、学生寮は学ぶことに集中できる環境にありますので、それを活用することになります。

大学の講義や宿題などをこなすスタイルに慣れ、そして、現地の生活にも慣れてくると、今後は仲間と一緒にアパートに住むという留学生が増えてきます。言葉の不安も減って、現地でアパートを契約することも簡単になってくる頃です。

友達とシェアすることで、生活費を安くすることが出来たり、食事も好きなものを作りながら節約できたりもします。学生寮はそれなりに管理されていますから、解放される自由も欲しくなったりします。

それなりに長く留学するのであれば、ホームステイ→学生寮→アパートやシェアハウスといった住まい環境を変えてみるのもいいのではないでしょうか。

どれを選ぶかは、個人の生活スタイルや予算などによりますが、留学期間が長くなるようであれば、ホームステイ以外に色々試してみるのもの楽しい経験になると思います。

ホームステイといえば、何か便利な存在のように捉えられることがありますが、家族の一員として生活することで、本当のファミリーのようになれることがあります。

私はコミカレに通っていた頃に滞在したホストファミリーに、未だにお世話になっています。大学は全然違う地域に行きましたが、在学中はクリスマスなど大切な日には必ず家に呼んでくれて泊りに行っていました。

社会人になってからも何度も訪れて、普通の家族のように過ごしています。ホストファミリーの一人が結婚した時は、結婚式で親族の席に座っていました^^; こういった素敵な出会いがあるのも、ホームステイの素晴らしいところです。

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